効果的な導入事例の作成方法

効果的な導入事例の作成方法

日本市場では、導入事例はとても効果の高いマーケティングツールです。

製品やサービスを導入する場合、「使ってみてどうだったか」「費用対効果、TCOは?」は誰しも気になるもの。設備投資に対するコスト管理が厳しい現在、プロジェクトのGOサインを得るための裏付けとして、体験からくる「生の声」は、何よりも強力な説得材料となります。

今回は、効果的な導入事例を作るために必要な「事例の取材・インタビュー時のポイント」および「事例の構成・ストーリー例」をご紹介します。

導入事例の取材・インタビュー時のポイント

・キーパーソンにインタビューを依頼する
できれば経営的な観点でコメントいただける上席の方、プロジェクトのリーダー的存在、現場担当者にそれぞれの立場からお話を聞けるのが理想的です。

・事例化するタイミングを図る
プロジェクト完了直後はホットな(生々しい?)内容が聞けるというメリットもある反面、肝心の「導入効果」がまだ出ていません。プロジェクトの数カ月後、または業務サイクルが一巡してからなら、より具体的な成果、感想を知ることができます。

・まんべんなく話を聞き、取捨選択する
インタビューの時間は、「ここは書かなくてもいいんだけど…」といった話も聞けるくらいの余裕が欲しいものです。たっぷり内容を把握した上で整理したほうが、内容が充実します。臨場感あふれるエピソードを記載すると、読者をより惹きつけることができます。

また、充実した取材を行うためには、取材先との調整といった事前準備が欠かせません。取材前の準備方法についてはこちらの記事をご覧ください。

導入事例制作に必要な5つの準備 [依頼テンプレート付き]
https://blog.sedesign.co.jp/5points-to-prepare-creating-case-study

導入事例の構成・ストーリー例

取材・インタビューの段取りと並行して行うのが、どのような構成で事例を組み立てればよいかの検討です。下記に、自然な流れで説得力を持たせることのできる、導入事例の構成・ストーリー例をご紹介します。

  • 【構成・ストーリー例】
    1. 経営的な観点から捉えた導入プロジェクトの位置づけ
    2. 企業/組織が抱えていた課題
    3. 製品やサービス、パートナーを選んだ理由
    4. 導入作業での工夫、直面した問題とその解決
    5. 導入後の効果(定量/定性)

1. 経営的な観点から捉えた導入プロジェクトの位置づけ

導入事例というと「A社がXXを導入した」という事実ありきのため、2.(企業/組織が抱えていた課題)から始まる事例もあります。しかし、いきなり細部に入るのではなく、その企業/組織にとって導入プロジェクトがどういう意味を持つものであったかを押さえておきましょう。

個々の課題の前に、「経営の『5カ年計画』の中の一環だった」「近年ビジネス環境が様変わりし、体質改善が必須だった」といった大局的な視点があると、プロジェクトの意義を強調することができます。

業界の動向や最近のトピック(規制の変化や新興国の台頭など)と絡めると、よりリアルなものとして読者に関心を持ってもらえるようになります。

2. 企業/組織が抱えていた課題

たとえば、企業/組織が抱えていた課題として下記のようなものが挙げられるでしょう。

・事業拡大や処理の増大で、これまでの環境では業務に支障をきたすようになった
・法律や規制が変わり、手作業で処理していては追いつかない
・組織再編(統合や分割)を機に、業務環境の見直しが必要
・データを可視化して事業の意思決定にもっと活かしたい

こうした理由がほとんどですが、ここに導入した企業それぞれのビジネスの特長(海外の売上比率が高い、地域密着型サービス、在庫を抱えない方針、業界の規制が厳しい、など)を盛り込むことで、説得力がぐっと増します。

3. 製品やサービス、パートナーを選んだ理由

IT業界の場合は、導入する企業や自治体などがRFP(提案依頼書)を作成して、これに応じたシステムインテグレーターや製品ベンダーのプレゼンやデモを見て決定する、という流れが一般的です。

その他にも導入済みの企業を視察したり、あらゆる観点から比較検討が行われますが、親会社が使っているものに合わせる(データのやり取りを容易にする、コンプライアンス上使用するシステムを統一する)など、トップダウンで決まることもあります。

経緯がどうであっても、製品やサービスの特長が個々の業務要件にどれだけフィットしたか、サポートがどれだけ期待できるか、過去の実績、または将来的な利便性(システム連携や規制の変化)を踏まえた上での決定であったことをお客様視点で語っていただくようにします。

プロジェクトリーダーやメンバーといった「人」や「体制」への期待、信頼感に触れることもできます。ただし、すべてぶっちゃける必要はありません。「安かったから」という理由であったとしても「コスト要件に合致した」など、表現方法は原稿作成時に工夫することができます。

4. 導入作業での工夫、直面した問題とその解決

あらゆるプロジェクトに苦労はつきものですが、ここで肝心なのは「苦労話に終わらせない」ということです。取材時にはさまざまなエピソードを集めておいてよいのですが、重要なのはまとめ方です。

思ったよりも作業が増えたり、外部要因でプロジェクト中に状況が変わり対応を余儀なくされたなど、数々の困難にどう対処していったか、どのような工夫によって解決したのか、を前向きに説明します。

社内メンバーの尽力、パートナーが蓄積していたノウハウが活きたなど、良い点をピックアップしていくことで、「ここに頼んでみようかな」という信頼感につながります。

5. 導入後の効果(定量/定性)

効率やコストがBefore/Afterでどのくらい違うのか、数値情報を計測されている場合は、お客様の同意を得て公開させていただくのがいちばんです。

その他にも、人員や設備(リソース)に余裕が出て他の仕事ができるようになった、書類、帳票などを迅速に作成できるようになったなど、定性面からの効果も重要です。

特に業務の進め方が変わって、人の意識も変わってきたというところが書けると、非常に前向きな印象になります。個々のお客様ならではのエピソードを丁寧に拾ってみましょう。

まとめ

導入事例は、製品/サービスの良さをアピールするためのマーケティングツールですが、ターゲット読者が知りたいのは、それを売ろうとする側からのアピールではなく、導入したお客様の経験に基づく、率直な意見です。

お客様の率直なご意見からできるだけ良いコメントを引き出し、前向きに表現することで、未来の受注につなげましょう!

※本記事は2014年に5月に公開された「効果的な導入事例の作成方法(前編)」「効果的な導入事例の作成方法(後編)」を編集しなおしたものです。

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