スマートフォンと電子マネーの深い関係(1)-おサイフケータイの現在と課題

スマートフォンとビジネスを結び付ける上で、重要なポイントとなるのが“決済”です。
スマートフォンをレジにかざすだけで決済ができる仕組みは多くの人が知っているところですが、普及にはさまざまな課題もあります。スマートフォン決済の現在と課題について、改めて確認してみましょう。

日本において、スマートフォン(+フィーチャーフォン)で決済といえば、多くの人がイメージするのは、「おサイフケータイ」ではないでしょうか。携帯電話に搭載された非接触通信「FeliCa」のチップを用い、携帯電話でSuicaやWAON、nanacoなどの電子マネーの決済ができるほか、オンライン経由で残高の確認や電子マネーへのチャージ、ポイントの管理などができるこのサービス、ご存じの方も多いと思います。

モバイルSuica 画面

おサイフケータイの仕組みはNTTドコモが開発したもので、2004年よりサービスが始まっています。iPhoneやAndroid端末が登場する以前のフィーチャーフォン時代から提供されていたものであり、携帯電話の決済サービスとしては、世界的に見てもかなり先駆的な取り組みであったといえるでしょう。

では実際、おサイフケータイを利用している人はどれくらいいるのでしょうか。

2014年7月に実施されたフェリカネットワークスの調査結果によると、スマートフォン所有者の49.3%はおサイフケータイ対応機種を持っているほか、おサイフケータイ機種所有者の24%はおサイフケータイで電子マネーを利用していました。スマートフォンに限ると26.3%となっており、対応機種を持っている人の3割弱がおサイフケータイで電子マネーを使用しているようです。

この割合をどう見るかは判断が分かれるところですが、おサイフケータイは使い始めるまでのハードルが高い一方で、1度使い始めると手放せないという声は、筆者もよく耳にします。しかし、おサイフケータイ機能はフィーチャーフォン時代、大半の機種に搭載されていたにもかかわらず、普及が大きく伸びていないのには、いくつかの要因があります。

1つは先にも触れたとおり、使い始めるまでと、機種変更時のハードルが高いことです。
利用開始時は、電子マネーサービスごとにIDなどの登録作業が必要となるのに加え、機種変更時にも各サービスに対して事前の移行手続きをする必要があるなど、手順の煩雑さがハードルになったといえます。

そしてもう1つはiPhoneの存在です。
日本では2008年以降iPhoneが急速に普及し、スマートフォン市場の半数以上を占めたため、おサイフケータイを利用できない人が増えてしまいました。この間、FeliCaを用いた電子マネーサービスの基盤整備は大幅に進んでいるのですが、逆におサイフケータイ対応機種ユーザーの比率が大きく減少したことが、普及を阻んだわけです。

おサイフケータイに用いられているFeliCaは国際規格ではないため、その将来性を不安視する声も少なくありませんが、日本においては、駅やコンビニエンスストア、自動販売機に至るまで、多くの場所でFeliCaによる電子マネー基盤が既に整備されています。この状況が短期間で大きく変わることは考えにくいでしょう。またおサイフケータイの側も今後の展望や将来性を見越し、国際規格となる非接触通信方式「NFC」への対応を進めていることから、おサイフケータイ自体の取り組み自体が縮小することもまた、考えにくいでしょう。

そこでおサイフケータイの普及に向けた課題は、利用にかかる手間の解消、そしてiPhoneなど非対応機種への対応をいかに進めるかにかかってくるといえます。

ちなみに後者に関しては、おサイフケータイを周辺機器化することで解消するという動きが出てきています。実際、おサイフケータイの主導役の1社であるNTTドコモは2014年10月3日、iPhoneに装着し、Bluetoothで接続することで、おサイフケータイの各種機能が利用できる「おサイフケータイ ジャケット01」を発売すると発表しています。まだ利用できる機能に制限があるのが難点ですが、こうした取り組みが進むことでおサイフケータイのユーザーが増えるか、注目されるところです(写真はNTTドコモのプレスリリースより)。

おサイフケータイ ジャケット01

「おサイフケータイ ジャケット01」を開発<2014年10月3日>
https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2014/10/03_00.html

次回は、NFCの決済に関する取り組みについて触れていきます。

 

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