アプリが変える集客のかたち(1)-LINEのプラットフォーム化がもたらしたもの

従来のインターネットサービスといえば、パソコンとWebブラウザで利用するものが主体であり、オープンでさまざまなサービスへ自由にアクセスできることが大きな価値を持っていました。しかしスマートフォンとアプリの広まりによって、情報と人の流れのあり方は大きく変わってきています。

人の流れが変われば集客の形も変わり、集客が変わればインターネットビジネスのあり方も大きく変化することとなります。そこで今回からは、最近顕著に起きているスマートフォンアプリのプラットフォーム化という動きから、アプリの台頭によって人の流れがどのように変化しているかを確認していきたいと思います。

国内のスマートフォンアプリにおけるプラットフォーム化の代表的な例が、LINEです。コミュニケーションアプリとして高い人気を誇るLINEは、多くの利用者を獲得したことから、2012年にLINEをプラットフォーム化することを宣言しました。

最初に実施したゲームプラットフォーム「LINE GAME」では、LINEのコミュニケーション機能と連動したカジュアルゲームを配信。その結果、「LINE ポコパン」「LINE:ディズニー ツムツム」など多くのヒットゲームを生み出すことに成功、高い収益を上げるなどプラットフォーム化の大きな実績を残しました。その成果に自信を得たLINEは、その後ニュースやECなど、幅広い分野のプラットフォーム化を積極的に進めています。

LINE 画面1

LINEのプラットフォーム化が大きな成果を生み出したポイントは、コミュニケーションをキーとして、アプリへの集客を実現している点にあります。日々のコミュニケーションを目的にLINEを利用しているユーザーに対し、アプリ内で集客につなげる動線を用意することにより、他のアプリへと誘導したのです。

コミュニケーションを集客に結び付ける取り組み自体は、過去にもFacebookなど多くのSNSで見られたものであり、それ自体は新しいことではありません。しかしWebサービスを経由することなく、アプリからアプリへという集客の流れを自然な形で実現させたことは、LINEのプラットフォーム化がもたらした大きな変化といえるでしょう。

LINE 画面2

 

しかもアプリを一度ダウンロードすると、ホーム画面やドロワーにアイコンが設置され、ワンタッチで手軽に呼び出すことができます。それゆえアプリからアプリへと送客されたユーザーは、Webブラウザを経由することなくアプリ上でサービスを利用し続けるため、結果としてWebブラウザで利用するサービスの存在価値を低下させることにもつながっていきます。

プラットフォーム化でアプリへの集客を実現したLINEは、そのノウハウを元に今度はリアルの集客実現へと乗り出しています。その第一歩としてLINEは、LINE上で決済ができる「LINE Pay」の提供や、「LINE@」のIDのオープン化などを実施。さらにそれらを活用したタクシーの呼び出しサービス「LINE TAXI」や、食事の宅配サービス「LINE WOW」を提供するなどして、LINEをキーとしてリアルでの集客に結び付ける取り組みを進めているようです。

LINE 画面3

もっともLINEのプラットフォーム化は、従来のWebサービスのプラットフォームと同様、LINEが各サービスの主導権を握り、自社サービス内にユーザーを回遊させることで収益を高める、中央集権型の構造であることに変わりありません。

しかしアプリの急速な台頭に伴い、こうした中央集権型とは異なるプラットフォームの形が生まれ、集客の流れを変えつつあるようです。その新しい流れについては次回説明しましょう。

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