メディアに取り上げられるプレスリリースの作り方

公開日:2014-04-03 更新日:2024-02-26 by SEデザイン編集部

目次
メディアに取り上げられるプレスリリースの作り方:その1

私はSEデザインを経て現在、ライティング・編集を行うFootprint Technologiesという会社で活動しています。今回は、企業が発信する「プレスリリースの作り方」について、ライターとしての立場からお話できればと思います。

現在の仕事ではIT系のWebメディア各社からの依頼に応じて記事原稿を作成し、提供することが多いのですが、他の一般企業からプレスリリース原稿の作成を依頼されることもあります。そのため、メディアの記者側と、そこに対してプレスリリースを出す企業側という両方の面から見ることができる立場にいるといえます。

プレスリリースを出す側、取り上げる側の意識

企業はプレスリリースを自社のサービスや製品、取り組みなどを広めるツールとして考えています。現在はメールを使ったプレスリリースの配信が主流で、一度に多くのメディアにメール送信できる配信サービスも存在します。1つでも多くのメディアに取り上げてもらい、1人でも多くのエンドユーザーやターゲットに知ってもらうことが目的です。

一方、Webメディアは、媒体価値(広告的価値)を高めるために、1つでも多くの有益な情報を、そのメディアがターゲットとしている読者にいち早く届けたいと考えています。したがって、企業から送られてくる生情報であるプレスリリースは、大変貴重な情報源です。

メディアの記者は毎日膨大な数のプレスリリースを受け取っています。そのため、“ネタ”としての価値が高い情報であることを前提に、必然的に目を引く内容のプレスリリースを取り上げがちになります。“目を引く”というのは、派手な装飾が施されているとかそういうことではなく、“目に留まる”と言ったほうがいいでしょうか。

企業にとっては、“目に留まる”プレスリリースをしっかり出せているかが重要になってきます。
頑張って頻繁にリリースを打っているのにメディアが取り上げてくれない、と嘆いている企業もあるかもしれませんが、もしかすると下記のようなやり方をしているからかもしれません。

【メディアが取り上げてくれないプレスリリースの例】
1. プレスリリースを送るメール本文に詳しい内容を書いていない
2. 自社のWebサイトなどに1次ソースとしての情報がない
3. すぐに使用可能な写真や画像がない

メディアの記者から聞く話を総合すると、以上のようなプレスリリースは取り上げられにくいようです。では、具体的にどういった内容に改善していくべきなのか、1つひとつお話してみたいと思います。

1. メール本文にプレスリリースの全文を載せる

メール本文に簡単な概要しか書かれていないか、あるいはお知らせがあるとだけ記載され、「詳しくは添付の資料(Webサイト)をご覧ください」として、別ファイルやWebページを開かなくてはならないものは、読まれにくくなります。

添付ファイルだと、ちょっとしたミスで特定の環境でしか読めないデータになってしまったり、ファイルが壊れてしまったりしたときに、全く情報が得られません。また、Webサイトのリンクを示しても、リンクミスしていたり、Webサイトが一時的にダウンしていたりすると、読み手は何のアクションも取れません。

メディアの記者は大量のプレスリリースに次々に目を通していくわけですから、手間なく読めるプレーンなテキストで書かれていた方がチェックしやすいことは言うまでもありません。文章で表現しにくい図表などはともかく、知らせたい内容はきっちりメール本文に書いておくのがベターです。

2. メールと同時に自社Webサイトにも情報を掲示する

特にプレスリリース配信サービスを使ったメールからの情報の場合、本当にその企業がリリースした内容なのか、メディア側で判断しかねる場合があります。判断できないと“裏を取る”ために、その企業のWebサイトに同一の情報が掲載されているか確認し、そこに情報がなければ電話などで確認を取ることを考えるでしょう。

しかし、事実確認のためだけに電話するというのは、相当な心理的負担があるものです。また、そのために時間を取られれば、情報がメディアに掲載されるタイミングも遅くなります。その日の遅い時間帯になるほど見てくれる読者も減り、日が変われば新しいニュースで前日のものは目に付きにくい場所へ追いやられてしまいます。

適切な情報を適切な場所に、十分な内容で掲載しておくことは、企業にとってもメディアにとってもメリットが大きいのです。

3. メディア各社が使える写真・画像を必ず用意する

プレスリリースの内容によっては写真や画像として出せない、もしくは出す必要のないものもあるでしょう。ただし、形のある製品やサービスに関する内容であれば、それをイメージしやすくする何らかの画像は存在するはずです。

一刻も早く読者に情報提供したいWebメディア各社は、その製品やサービスを実際に試すことはあっても、写真を撮ったりする時間は取れません。写真を撮るためだけに新たな別の作業が発生したり、素材を用意する必要が出てくることもあるからです。

たとえば、スマートフォン向けの新しいソーシャルアプリがリリースされた場合、実際に使っている時の様子を再現した画像を用意するには、サービスにログインしたり、メッセージを打ち込むなどしてコミュニケーションを取っているような雰囲気を出さないと、そのアプリのイメージが伝わりません。

そういった画像が公式なものとして最初から用意されていれば、じっくり使い込むような時間を取れなくても、試して事実確認さえできれば、記事として書き上げることができます。

プレスリリースのメールに画像添付するか、Webサイトからダウンロードできるようにしておくか、いずれかの方法でメディアが自由に使える画像を準備しておくとよいでしょう。その際には、著作権や肖像権の点でWebサイト上に掲載されても問題ない画像にしておくことにも注意が必要です。

まとめ

その他に、プレスリリースのメール本文を書く際の基本的な注意点として、「文章は適切な桁数で改行する」というのもあります。延々と1行を続けてしまうと、メールソフトによっては文字化けして読めなくなってしまうことがあるからです。

メディアに正確に伝わり、かつ記事に取り上げてもらいやすくなるよう、以上の点を参考にプレスリリースを作成してみていただけければと思います。

※本記事は2014年に4月に公開された「メディアに取り上げられるプレスリリースの作り方:その1」「メディアに取り上げられるプレスリリースの作り方:その2」を編集しなおしたものです。

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