マーケティングオートメーション導入の成功はコンテンツが鍵

マーケティングオートメーション導入の成功はコンテンツが鍵BtoBマーケティングの必要性が改めて見直されていることもあり、ここ数年、マーケティングオートメーションを導入する企業が徐々に増加してきています。この記事をご覧の方の中にも、導入を検討されている企業のご担当者様が少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

マーケティングオートメーションツールを導入すれば、BtoBマーケティングにまつわる様々なタスクを自動化し、マーケティング業務の効率をあげることができます。とはいえ、マーケティングオートメーションはあくまでも一つの道具であって、「それさえ導入すればすぐにマーケティングが上手くいく」というような魔法の杖ではありません。

マーケティングオートメーションツールの導入を成功させるためには、事前にマーケティング戦略を練り上げた上で、戦略を動かしていくためのコンテンツを準備しておく必要があるのです。

マーケティングオートメーションとコンテンツは「水車と水」の関係

マーケティングオートメーションツール(以下、MAツール)の導入に踏み切ってはみたものの、思ったような成果が上がらず頭を抱えている…こんな話をしばしば耳にします。

そうした事例を分析すると、「準備不足」が原因となっていることが少なくないようです。

冒頭でも述べたように、MAツールという道具を上手く活用して成果を上げていくためには、適切なマーケティング戦略の策定とコンテンツの準備が欠かせません。特に後者のコンテンツは、MAツールを用いてマーケティング施策を実施していく上で、なくてはならない重要なアイテムです。

MAツールとコンテンツの関係は、たとえて言うなら「水車と水」の関係に似ています。

水車は流れる水の力を動力源として、脱穀や製粉、製材といった作業を効率よく行う手助けをします。しかし、どんなに立派な水車を作っても、水車を回す水を引き込めなければそれを動かすことはできません。

MAツールとコンテンツの関係も同様で、コンテンツという動力源が不十分な状態では、MAツールという水車をうまく回すことができないのです。

マーケティングオートメーションとBtoBマーケティングのプロセス

この点を理解していただくために、BtoBマーケティングのプロセスについてあらためておさらいしておきましょう。

BtoBマーケティングの目的は、営業チームがアプローチするための案件(見込み顧客)を作り出すことにあります。これを効率よく行うために、通常はリードジェネレーションリードナーチャリングリードクオリフィケーションという3つのプロセスを経て、市場の候補客の中から有望な見込み顧客を抽出します。

見込み顧客の状態変化とBtoBマーケティングのプロセス

図はBtoBマーケティングのプロセスを図式化したものです。

商品やサービスのターゲット市場にはたくさんの「見込み顧客候補(潜在顧客)」がひしめいていますが、言うまでもなく、そのすべてが自社の商品やサービスを購入してくれるわけではありません。ターゲット市場の中で商品を認知した人が商品に興味を抱き、興味を抱いた人が購入を検討し、検討の結果「よし、これにしよう」と判断した人だけが最終的に購入に至ります。

BtoBマーケティングのプロセスは、このような見込み顧客の行動を前提として、段階ごとに適切なアプローチをかけることで、効率よく有望な見込み顧客を抽出しようという基本理念に基づいて設計されています

ここで、先ほどのMAツールとコンテンツの関係の話に戻りましょう。

近年のBtoBマーケティングでは、集客から顧客との関係性強化・購買意欲の促進まで、いたるところでコンテンツの力が活用されています

たとえば、見込み顧客に商品やサービスを認知してもらうために、ブログなどのオウンドメディアに記事を書いたり、業界に関連するWeb媒体に広告を載せたり、イベントや展示会に出展したりします。また、興味や関心を深めてもらうために、ノウハウをまとめたEbookや業界リサーチなどの資料を提供します。比較検討段階にある見込顧客には、他社比較や導入事例、見積り資料などを提供したりするでしょう。場合によっては、コンテンツに対する見込み顧客の反応をもとに、見込み顧客の現在の状態を推し量るようなことも行われています。

つまり、近年のBtoBマーケティングにおいて、コンテンツこそがマーケティングプロセスを動かす重要な動力源――すなわち「水車に対する水」に匹敵する要素となっているのです。

MAツールは、BtoBマーケティングの3つのプロセスを統合的に可視化し、マーケティングタスクの自動化・効率化を支援してくれる便利な道具ですが、どんなに便利な道具でも、それ単体では役に立ちません。 BtoBマーケティングのプロセスを動かすための要素(=マーケティング戦略とコンテンツ)が整っていてはじめて、MAツールが威力を発揮することができるのだということを、まずは念頭においておきましょう。

マーケティングオートメーションでコンテンツを活用するシーン

では、マーケティングオートメーションを導入するにあたって、具体的にどのようなコンテンツが用意されていればよいのでしょうか。ここでは、前項で触れた3つのマーケティングプロセスに沿って、BtoBマーケティングで必要となるコンテンツについて解説していきます。

1. リードジェネレーション(見込み顧客の獲得)

リードジェネレーションは、ターゲット市場にひしめく潜在顧客の中から自社の見込み顧客(リード)を探し出し、マーケティングアプローチの対象として獲得する活動です。

リードジェネレーションの対象は、冒頭の図でいうと認知~興味・関心の段階にある見込み顧客です。従って、自社製品のことをまだ知らない、あるいは「名前くらいは知っているがそれほど詳しくない」という状態の見込み顧客に対して、興味を喚起するようなコンテンツを提供するのが基本姿勢となります。簡単にいうと、見込み顧客と自社とをつなぐ「きっかけ」となるようなコンテンツです。

具体的な内容は商材やサービスによって変わってきますが、展示会で配布する簡単なパンフレット、ブログ記事、SNSでの発信、見込み顧客の課題をまとめ、その解決方法を提示するようなホワイトペーパーやEbookなどが、このプロセスで用いるコンテンツとなります。

2. リードナーチャリング(見込み顧客の購買行動の促進)

リードナーチャリングは、リードジェネレーションで獲得した見込み顧客に対して継続的なアプローチを行い、購買意欲を促進していく活動です。

図でいうと、「比較・検討」の段階にある見込み顧客がメインターゲットとなりますが、昨今はWebなどのチャネルを通じて、従来よりも関心度の低い見込み顧客の情報を獲得することが可能となってきています。このため、「興味・関心」の段階にある見込み顧客も一部、リードナーチャリングの対象となると考えた方がよいでしょう。

この段階では、導入事例や製品の詳しい資料、他社製品との比較資料など、製品やサービスについてより深く踏み込んだコンテンツを提供し、Eメールで見込み顧客へ案内することが多いです。

ここで重要なのは、リードナーチャリングのプロセスでは、
1. コンテンツを提供し
2. 相手の反応によって現在の状態を推し量り
3. 結果をもとに次のアプローチを決める
という活動を繰り返し行うということです。

BtoB商材では検討から購入までにかかる期間が長期に渡ることが珍しくありませんが、この間に企業の状況や見込み顧客の心理状態が徐々に変化していきます。従って、その時々の見込み顧客の状態を把握した上で、相手が求める適切なコンテンツを提供するというのが、このプロセスの基本姿勢となります

3. リードクオリフィケーション(有望な見込み顧客の選別)

リードクオリフィケーションは、リードナーチャリングのプロセスを経て十分に購買意欲が高まった有望な見込み顧客を抽出する活動です。抽出した見込み顧客のリストは営業チームに引き渡され、最終的なクロージング(契約)に持ち込むためのアプローチが行われることになります。

リードナーチャリングは、見込み顧客獲得から購入までの期間を通して繰り返し行われる活動でしたが、リードクオリフィケーションは通常、「見込み顧客リストの中から有望なものを抽出する」というワンアクションです。 従って、「リードクオリフィケーションのために用意するコンテンツ」というのは若干違和感がありますが、強いて言うなら、「そのコンテンツに対する反応によって有望性が判断できるもの」をこのプロセスで用意すべきコンテンツに位置付けることができるでしょう。

たとえば、Aさんがホワイトペーパーのダウンロードをきっかけに見込み顧客となり、半年間にブログ訪問や資料請求を何度か行ったのち、ある日、オンラインから自動見積りサービスを申し込んでくれたとしたら、Aさんは即座にアプロ―チすべき有望な見込み顧客だと考えることができるでしょう。

こうした「選別」の基準となるコンテンツを用意しておくことで、リードクオリフィケーションの精度を高めることが可能です。

【BtoBマーケティングプロセスごとの提供コンテンツ例】

リードジェネレーション ブログ、Ebook、ホワイトペーパー、製品パンフレット
リードナーチャリング 製品資料、導入事例、セミナーコンテンツ(ウェビナー)、動画
リードクオリフィケーション 他社比較資料、見積りサービス、無料デモ

 

まとめ

以上、BtoBマーケティングの3つのプロセスごとに、用意すべきコンテンツの概要をご紹介しました。

いずれの場合も重要なのは、「見込み顧客の現在の状態を把握し、その一歩先に進んでもらうためのコンテンツ」を用意するということです。マーケティング戦略を策定し、ペルソナやカスタマージャーニーマップをもとに各プロセスで必要なコンテンツを整備した上でMAツールの導入に踏み切りましょう。きっと、MAツールの威力を十分に活用していただけるはずです。

なお、「一歩先に進んでもらうためのコンテンツ」を用意するためには、自社の見込み顧客がどのようなシナリオをたどって商品の購入に至るのかを、あらかじめきちんと把握しておくことが重要です。この際に役立つのが、ペルソナの作成やカスタマージャーニーマップの作成です。ペルソナやカスタマージャーニーについては、以下の記事にて詳しくご紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。

▼ 参考記事
マーケティングにおけるペルソナとは?ーその役割、重要性を解説
ペルソナの作り方【サンプル付き】〜インバウンドマーケティングの視点から解説
カスタマージャーニーとは?その基本と作り方


また、マーケティングオートメーションツール「HubSpot」を使うと、本記事にてご紹介したようなBtoBマーケティング施策を効果的に実行できるほか、ペルソナの設定やブログなどのコンテンツも簡単に作成できます。便利な機能をご紹介した無料ガイドブックをご用意していますので、お気軽にお申し込みください。

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