メールマーケティングの評価指標と開封率を上げる4つのコツ【BtoB向け】

公開日:2017-12-11 更新日:2024-01-31 by SEデザイン編集部

目次

BtoBのメルマガとメールの開封率を上げる4つのコツ

BtoBマーケティングおいて、見込み顧客(所属や連絡先などの情報を持っており、製品・サービスの販売につながる可能性のある層)の購買行動を進める施策のひとつが、メールやメルマガなどのメールマーケティングです。

メールマーケティングで見込み顧客の購買行動を進めるにあたり、どのようなメールが効果が高いかを特定することは、見込み顧客との関係を次のステップに進めるうえで重要です。今回はBtoBビジネスでこれからメールマーケティングに取り組む方や、メルマガの評価に悩んでいるご担当者向けに、メールマーケティングの基本的な評価指標とその注意点をご紹介するのとあわせ、評価指標の一つである「開封率」を取りあげ、開封率をあげるコツをご紹介します。

メールマーケティングの評価指標

まず、メールマーケティングの基本的な評価指標としてどのようなものがあるかをみていきます。

1. 開封率

開封率とは、配信されたメールの総数に対し開封されたメールの割合で、HTMLメールでのみ計測が可能です。HTMLメールに計測用の画像ファイルを添付し、開封時にこのファイルをダウンロードした数を評価軸として計測します。

2. クリック率(CTR)

クリック率とは、メール内にあるリンクを受信者がクリックした割合です。「クリック数÷開封されたメールの数×100(%)」で計測でき、そのメールを読んだ購読者がどれくらいの割合で最終的な目標となるリンクに興味・関心を抱いたかを計測することができます。

3. コンバージョン率(CVR)

BtoBマーケティングにおいてコンバージョン率は、メール内のリンクをクリックして、リンク先ページのフォームからEbookやデモなどのオファーに申し込んだ受信者の割合です。コンバージョン率が高ければ、受信者にとってそのオファーは価値が高かったと言えます。しかし、コンバージョン率はリンク先となるランディングページやオファーの内容、質に左右される点には留意する必要があります。

4. バウンス率

バウンス率は、メールが届かなかった割合を指します。「メールを送信したにも関わらず不達で戻ってきたメールの数÷実際に送ったメールの数×100(%)」で算出します。メールのバウンスには「ハードバウンス」と「ソフトバウンス」があります。ハードバウンスは、受信者の退職などによりメールアドレスが実在しないか、受信者のメールサーバーが拒否した場合などを指します。ハードバウンスは、受信者のメールボックスが容量を超えていたり、送信したメールのサイズが大きかったりなど、一時的な理由で送信できなかった場合を指します。

5. 解約率

解約率とは、メールのニュースレターやメルマガを解約した数を表す指標です。「一定期間の解約数÷同期間の購読登録者数×100(%)」が解約率となります。解約する読者の持つ特性は、少なくとも開封者であったという点です。メールやメルマガの内容・頻度に対して不満があったか、興味や関心がなかったという意思表示をしている読者の数と捉えることができます。

 重視すべき指標と注意すべき指標

上に挙げた5つの指標のなかで、特に重視すべき指標は「クリック率(CTR)」と「コンバージョン率(CVR)」です

BtoBマーケティングの目的の多くは、有望な見込み顧客を営業担当者に引き継ぐことです。ゆえにメールマーケティングは、見込み顧客の興味・関心を引き出したり、購買行動の活発化や深化などの行動を促進させ、有望な見込み顧客を見つけることを目的とすべきです

具体的には、クリックされたリンクから見込み顧客の興味・関心を知る、オファーへの申し込み(コンバージョン)により興味・関心の高さを推測する、クリックをきっかけとしたサイト内での行動を把握することにより購買行動の活発度合いを推測するなどから、見込み顧客の今の購買ステージを知ることに努めてください。

「クリック率(CTR)」と「コンバージョン率(CVR)」は、どの程度の割合で受信者の購買行動の変化のきっかけを作れているかを知る重要な指標です。一方で、「開封率」と「解約率」については、受信者の正確な実態を表していないので注意が必要です。

「開封率」の計測は、メールに埋め込まれた画像を受信者が読み込むことでカウントされます。しかし、多くのメール受信者は、画像を自動でダウンロードしないように設定しています。そのため、メールは開封したが、画像はダウンロードしない受信者もいます。画像が受信者に読み込まれない限りは「開封」としてカウントされないので、「開封率」は実態よりも低い数値となる可能性が高いと考えられます。

同様に「解約率」も実態よりも低い数値となる可能性が高いといえます。これまで受信していたメールに興味がなくなるなどの理由で不要と判断し場合に全ての受信者が解約するわけではありません。メールは受信し続けるが、開封しない、読まないというように、そのままほったらかしにしているケースも多いでしょう。

とはいえ、「開封率」「解約率」は正確な実態を表していないかもしれませんが、受信者の傾向を示し、メールマーケティング改善のための指標であることは間違いありません。配信するメールから見込み顧客の購買行動を引き出すには、まずは多くの受信者にメールを開封してもらう必要がありますし、解約率はメールの内容が見込み顧客の興味・関心や課題を捉えているかどうかの傾向を教えてくれます。

次からメールマーケティングの最初の関門である「開封率」を上げるコツについてご紹介します。

開封率の平均値は?

MailChimp社が行った業界別のメール開封率の調査(英語)によると、全業界を総合した開封率の平均は、20%程度と考えることができます。自社のメールやメルマガの開封率の目標を考える時、業界による変化も加味する必要がありますが、概ね開封率が20%未満であるか否かによって評価を行い、改善策の方針を検討するとよいでしょう。

開封率を上げるコツ

では、開封率を上げるコツとは何でしょうか。順にご紹介します。

1. 差出人の名前を工夫する

差出人名を、開封率を高めるための訴求ポイントとして活用しましょう。

HubSpot社の調査では、差出人の名前とメールアドレスを企業のものではなく、担当者のものにすると開封率が平均で3%向上した、という結果があります。これは、メールマーケティングが1対1のコミュニケーションであり、対個人である親密さを醸成することが成功の鍵であることを示しています。

2. 件名を工夫する

MarkeZineの記事によると、回答者の50%がメールを開封するかどうかを「件名」で判断するという調査結果が出ています。

メールマーケティングにおける件名は、開封率にとって非常に重要なコンテンツです。したがって、件名では、「読者への利益」「数字の明確性」、そして「読みやすさ(=文字数)」を工夫しましょう。

■読者への利益
「読者への利益」の代表的なものは、「疑問の解決」です。疑問や課題の解決に繋がるノウハウは、読者にとって有益な知的財産ですので、メールの内容に即して明示しましょう。また、「無料」など、読者の利益に繋がる特異性を伝える方法も効果があります。

■数字の明確性
「数字の明確性」は、「期間・個数の限定」と「日付」などに活用可能です。「イベント開催」がメール本文の趣旨であれば、件名に日付を入れることで読者の興味を喚起します。「セミナー参加」が最終ゴールであれば、「○○名様限定」などの文言を加えることで、読者に対する開封への必要性を与えます。

■読みやすさ
「読みやすさ(=文字数)」は30文字程度を目安としましょう。最新のWebメーラーは50文字以上の件名にも対応しますが、スマートフォンなどのデバイスでメールチェックするビジネスパーソンの場合、30文字以降の文字は読み取れません。できる限り短い文字数の中に、必要な情報を挿入しましょう。

3. セグメントを検討する

メールマーケティングではできるだけ対象者をセグメントして配信してください

メールの配信方法には「一斉配信」と「セグメント配信」があります。
メールアドレスのみを保有しているメルマガ購読者などに対しては一斉配信することになると思いますが、会社情報や役職情報、購買ステージなどの情報を持っている見込み顧客へはセグメントを行い、設定したそれぞれのセグメントに適したメール配信を行ってください。設定したセグメントにとって有益であったり、行動を喚起する可能性があるコンテンツをメール配信することが開封率にもつながります。

セグメントにあたっては、ペルソナやカスタマージャーニーの設定が役に立つでしょう。
ペルソナ、カスタマージャーニーについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

▼ 参考記事
マーケティングにおけるペルソナとは?ーその役割、重要性を解説
ペルソナの作り方【サンプル付き】〜インバウンドマーケティングの視点から解説
カスタマージャーニーとは?その基本と作り方

4. 送る時間、曜日に気をつける

配信する時間や曜日は、購読者のメールチェックのタイミングに寄り添いましょう。例えば、Get Response社で行われたメール開封率の調査(英語)によると、平日の火曜日が最もメール配信数が多く、また開封率も高いという結果が出ています。

これは、休日の余韻によって感情が和らいでいる月曜日から、ビジネスモードに切り替わった火曜日が、最もメールによる情報更新を求める曜日である可能性が高いことを示唆しています。

しかし、これはあくまで土日が休日であるビジネスパーソンがターゲットであった場合に限ったデータとなるので、自社のメルマガ購読者が最もメールをチェックする曜日や時間を分析しましょう

まとめ

今回の記事では、メールマーケティングにおける評価基準と、メールの開封率向上に寄与する4つのコツをご紹介しました。

弊社で導入をご支援しているインバウンドマーケティングでは、「適切なコンテンツを通じて見込み顧客の購買を支援することによって、見込み顧客から信頼されることで、見込み顧客の購買行動の促進につなげる」という考え方に基づいてメールマーケティングを設計します。

また、配信したメールの分析や、メール配信業務そのものの効率化には、メール配信ソフトやマーケティングオートメーションツールの利用がおすすめです。

中でも、オールインワンマーケティングソフトウェアの「HubSpot」は、メールマーケィングの分析や配信機能はもちろんのこと、簡単にメールを作成する機能やペルソナ設定を支援する機能など、多彩な機能が備わっています。

HubSpotの便利な機能を分かりやすくご紹介したEbookをご用意しております。ご興味のある方は、下記のバナーからお気軽にダウンロードください。

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▼メールマーケティングについてもっと知りたい方は、こちらの記事もおすすめ

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